診療Update9:舌下免疫療法のご案内

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法(SLIT:Sublingual Immunotherapy)は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ毎日体内に取り入れ、徐々に体を慣らしていく治療法です。

一般的な抗ヒスタミン薬などが、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を一時的に抑える治療であるのに対し、舌下免疫療法はアレルギーの原因そのものに働きかける治療です。

現在、日本では主に

  • スギ花粉症
  • ダニによるアレルギー性鼻炎

に対して行われています。

当院では、スギ花粉症に対する「シダキュア」、ダニアレルギーに対する「ミティキュア」による舌下免疫療法を行っています。

舌下免疫療法のメリット

治療を継続することで、

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を軽減する
  • 目のかゆみなどのアレルギー症状を軽減する
  • 抗ヒスタミン薬などの使用量を減らす
  • アレルギー症状による日常生活への影響を軽減する

などの効果が期待できます。

また、治療を十分な期間継続することで、治療終了後も効果が長く続く可能性があります。

ただし、すべての方に十分な効果が得られるわけではありません。

治療方法

舌下免疫療法のお薬は、1日1回、毎日服用します。

錠剤を舌の下に置いて1分間保持した後に飲み込み、その後5分間は、うがいや飲食を控えます。

初回の服用は安全確認のため院内で行い、服用後は約30分間院内で経過を観察します。

問題がなければ、2日目からはご自宅で毎日服用していただきます。

治療期間はどのくらいですか?

舌下免疫療法は、すぐに効果が現れる治療ではありません。

十分な治療効果と、治療終了後の持続的な効果を期待するためには、3~5年間程度の継続が推奨されています。

症状がない時期も含めて、基本的には毎日服用を続けることが大切です。

スギ花粉症の治療を始める時期

スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散している時期には新たに開始することができません。

一般的には、スギ・ヒノキ花粉の飛散が落ち着いた6月頃から11月頃までが治療開始の目安です。

また、治療効果はすぐに現れるものではないため、翌年の花粉シーズンから効果を期待する場合は、できれば11月末までに治療を開始することをおすすめします。

一方、ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は、原則として季節を問わず開始できます。

副作用について

服用開始直後には、

  • 口の中のかゆみ・違和感
  • 舌の下や唇の腫れ
  • のどの違和感
  • 耳のかゆみ

などがみられることがあります。

多くは軽度で、治療を続けるうちに改善していきます。

非常にまれですが、強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があるため、初回は必ず院内で服用していただきます。

治療を始める前に

舌下免疫療法を行うためには、症状だけでなく、血液検査などによってスギまたはダニが症状の原因であることを確認する必要があります。

これまでにアレルギー検査を受けたことがある方は、検査結果をご持参ください。

検査結果がない場合は、必要に応じて当院でアレルギー検査を行います。

このような方におすすめです

  • 毎年スギ花粉症の症状が強い
  • 花粉症の薬を毎年長期間服用している
  • 薬を飲んでも症状が十分に改善しない
  • 薬の使用量をできるだけ減らしたい
  • ダニによる鼻炎症状が一年中続いている
  • 将来を考えて、アレルギーの原因に対する治療を希望している

舌下免疫療法は長期間継続する治療ですので、治療のメリット・注意点をご説明したうえで、ご希望に合わせて治療を開始します。

スギ花粉症やダニアレルギーでお困りの方は、お気軽にご相談ください。