季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の重症度は、「軽症」「中等症」「重症」「最重症」に分けられ、「鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症- 2024年版」では、「くしゃみまたは鼻をかむ回数が1日11回以上」、または「鼻づまりの程度が強く、1日のうちかなりの時間を口呼吸で過ごしている」という方は、「重症」と分類されます。

当クリニックでは、“既存治療で効果不十分”な重症・最重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の方に対して、生物学的製剤オマリズマブ(ゾレア®)による治療を行っています。花粉症をはじめ、さまざまなアレルギー疾患には、IgEという免疫グロブリンが関わっています。IgEが肥満細胞(マスト細胞)と呼ばれる免疫細胞の表面にある受容体に結合すると、ヒスタミンやロイコトリエンといった物質が放出されてアレルギー症状を起こします。くしゃみや鼻水はヒスタミンを介した神経反射と考えられてます。
ゾレアはIgEと結合することで、IgEがマスト細胞表面の受容体に結合するのをブロックし、ヒスタミンやロイコトリエンといった物質の放出を抑え、アレルギー症状を抑えます。

ゾレアによる治療を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。
- 重症または最重症の鼻炎症状がある.
- 血清中総IgE濃度が30〜1,500IU/mL.
- スギ花粉特異的IgEがクラス3以上.
- 標準治療を1週間以上行っても、効果が不十分.
- 12歳以上.
- 体重が20〜150kgの範囲にある.
この他に、前スギ花粉シーズン(または直近飛散期)に、どのような内服薬や点鼻薬を使用したかをお聞きします。
ゾレアの投与量・投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度および体重に基づいて決定され、薬剤費も変わってきます。詳しくは以下をご覧ください。
季節性アレルギー鼻炎に対するゾレアの投与期間は基本的には12週間です。ゾレアの効果は非常に速いので、症状が出る前に予防的に投与する必要はありません。
一方、スギ花粉症、ダニアレルギーをお持ちの方は、舌下免疫療法も可能です。舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となっているアレルゲンを、毎日「舌の下」に投与していくことで、少しずつ体をアレルゲンに慣らしていき、症状を和らげ、根本的な体質改善を目指すことができる治療です。治療期間は2年以上、3〜5年が推奨されています。
スギの舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散が終了する夏以降に開始します。これに対して、ダニの舌下免疫療法は季節に関係なくいつでも開始することができます。ご興味のあることはご相談下さい。
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