診療Update 6:ミノキシジル外用薬・内服薬について

当院では、現在得られている医学的な知見に基づき、男性型脱毛症(AGA)および女性型脱毛症(FPHL)の治療を行っています。本ページでは、ミノキシジル外用薬・内服薬について、主なエビデンスの範囲内で概要をご紹介します。

ミノキシジル外用薬

ミノキシジルは、男性型脱毛症(AGA)および女性型脱毛症(FPHL)の治療に用いられる外用薬です。私も委員として作成に携わった日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」では、男性に対しては5%外用製剤、女性に対しては1%外用製剤の使用が推奨されています。これに基づき、当院でも以下の通りミノキシジル外用液を取扱っています。

濃度容量価格(税込)
男性用5%60mL5,000円リアップ相当品
女性用1%60mL4,000円リアップジェンヌ相当品

一部の自費診療や個人輸入では5%を超える濃度(例:10%、15%)の製品も見かけますが、これらの高濃度製剤が5%よりも効果的であるという科学的根拠(適切な臨床試験データ)は現時点では限られています。むしろ高濃度で頭皮の刺激やかぶれなど副作用が増える可能性があるため、使用には十分注意が必要です。

ミノキシジル内服薬

近年注目を集めているのが、ミノキシジルの内服療法です。国内外のAGAクリニックでは処方されることも増えていますが、日本を含む多くの国で薄毛治療目的のミノキシジル内服薬は承認されていません。

もともとミノキシジルは降圧薬として開発された経緯があり、全身性の副作用、特に心血管系への影響(頻脈、浮腫、低血圧など)が懸念されていました。

上記の日本皮膚科学会のガイドラインでは、外用ミノキシジルは推奨度A(強く推奨)とされた一方で、内服ミノキシジルは推奨度D(行うべきではない)と評価されています。

しかし近年、低用量(1~5mg/日)のミノキシジル内服に関する研究が進み、発毛効果があることや副作用が比較的少ないことが報告されています。2024年のランダム化比較試験では、5 mg/日の内服は5%外用に対して24週で優越性を示さず、有効性は概ね同等でした。副作用では内服群で多毛症が多く見られた一方、重篤な不整脈などの重大な副作用は確認されていません。

ただし、ミノキシジル内服はあくまで適応外使用(オフラベル)であり、安全性の評価はまだ限定的です。高血圧や心疾患などを有する方には慎重な対応が必要です。

当院の対応と今後の展望

当院では、現在のエビデンスに基づき、フィナステリド・デュタステリドの内服、ミノキシジル外用薬を使用した標準的な治療を行っております。ミノキシジル内服については、新たなガイドラインや臨床研究の結果を注視し、今後の対応を検討してまいります。

新しい評価が発表され次第、当ホームページでも最新情報をお知らせいたします。

参考文献

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版 日皮会誌. 2017;127:2763-2777.

Tsuboi R, et al. A randomized clinical trial comparing 5% and 1% topical minoxidil for the treatment of androgenetic alopecia in Japanese men. J Dermatol. 2009;36:437-46.

Singh S, et al. Does topical minoxidil at concentrations higher than 5% provide additional benefit in androgenetic alopecia? Clin Exp Dermatol. 2022;47:1951-1955.

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