慢性蕁麻疹の新しい内服治療薬「ラプシド」が発売されました

慢性蕁麻疹は、長期間にわたって膨疹やかゆみを繰り返し、睡眠や日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

2026年10月14日、慢性蕁麻疹の新しい治療薬 「ラプシド錠25mg」(一般名:レミブルチニブ) が発売されました。

ラプシドは、従来の抗ヒスタミン薬とは異なる作用機序を持つ、BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)阻害薬です。

抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない慢性蕁麻疹に対して、注射ではなく、飲み薬による新たな治療選択肢が加わりました。

ラプシドはどのような薬ですか?

蕁麻疹は、皮膚に存在する肥満細胞からヒスタミンなどの物質が放出されることで、膨疹(皮膚の赤い盛り上がり)やかゆみが生じる病気です。

従来の抗ヒスタミン薬は、放出されたヒスタミンの作用を抑えます。

一方、ラプシドは、肥満細胞の活性化に関わるBTKという酵素の働きを阻害し、ヒスタミンなどの放出そのものを抑えることで、蕁麻疹の症状を改善します。

どのような方が対象になりますか?

ラプシドの効能・効果は、**「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」**です。

抗ヒスタミン薬などの既存治療を行っても、十分な効果が得られない成人の患者さんが対象となります。

服用方法

通常、成人にはラプシド錠25mgを1回1錠、1日2回服用します。

なお、新薬のため、発売後約1年間は原則として1回の処方日数が14日分までに制限されます。

そのため、当面は2週間ごとの受診が必要になります。

ラプシドとゾレアの違い

従来、抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない慢性蕁麻疹に対しては、ゾレア(オマリズマブ)などの注射薬が使用されてきました。

ラプシドは内服薬であるため、注射を希望されない患者さんにとっても新たな選択肢となります。

ただし、両剤は作用機序が異なり、どちらが適しているかは症状や治療経過などによって判断します。

副作用・注意点

ラプシドの副作用として、頭痛、下痢、点状出血、紫斑などが報告されています。

特に出血に関連する症状には注意が必要です。ほかに服用している薬がある方や、手術・処置を予定している方は、事前に医師へお知らせください。

ラプシドとゾレアの薬価・自己負担額の比較

2026年10月時点・保険診療3割負担の場合

ラプシドゾレア
治療方法内服薬皮下注射
作用機序BTK阻害抗IgE抗体
投与方法25mgを1日2回300mgを4週間ごと
薬価929円/錠39,329円/300mgペン
薬剤費(1カ月)52,024円/4週間39,329円/4週間
3割負担(1カ月)15,607円/4週間11,799円/4週間
通院間隔当面は原則2週間ごと通常4週間ごと

当院では、患者さんの症状やこれまでの治療経過を考慮し、適切な治療方法をご提案しています。

蕁麻疹の治療については、「診療Update8:蕁麻疹の新しい診療ガイドライン」も参考にしてください。

診療Update 8:蕁麻疹の新しい診療ガイドラン
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抗ヒスタミン薬を服用しても蕁麻疹が改善しない方は、お気軽にご相談ください。