花粉-食物アレルギー症候群
2024.03.26
花粉-食物アレルギー症候群(PFAS:Pollen-Food Allergy Syndrome)とは?
- 食物アレルギーの一種で、特定の野菜や果物を食べることにより、口の中やのどをはじめ、皮膚、眼、鼻、呼吸器、消化器などにアレルギー症状が起こる疾患です。
- 花粉症の患者さんに発症しやすいという特徴があります。
- 花粉症の方には、花粉に含まれるアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)に対するIgE抗体があります。ある種の野菜や果物のアレルゲンは、花粉のアレルゲンと構造が似ているので、野菜や果物を食べると体が花粉が入ってきたと勘違いし、アレルギー反応が起こります。これを「交差反応」と言います。花粉-食物アレルギー症候群は、この交差反応により発症します。
典型的な症状
- 特定の野菜や果物を食べた後、数分以内に唇、舌、口の中、のどにイガイガした感じ、かゆみ、しびれ、むくみがあらわれます。
- しばらくすると自然に治まることが多いものの、進行すると蕁麻疹、顔のむくみ、瞼の腫れ、くしゃみ、咳、息苦しさ、腹痛、嘔吐、下痢といったさまざまな症状が出てくることもあります。
- 血圧が低下し、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な状態に至ることもあります。
当院での検査・治療
- アレルギー症状が出た時の様子を詳しくお伺いします。
- 交差していると考えられる花粉、果物、野菜に対するIgE抗体を調べます。
- その結果をもとに、生活指導を行い、症状が出た時のために抗アレルギー薬や、アナフィラキシー症状が出た時のためにエピペン®と呼ばれる自己注射薬を処方します。