帯状疱疹
2024.04.04
帯状疱疹とは?
- 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症です。初感染では水痘(みずぼうそう)になりますが、その際に感染したVZVは後根神経節という所に潜伏し続けています。後根神経節内に潜伏感染していたウイルスが、何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹です。
- 誘因としては、過労、老化、手術、抗がん剤治療、放射線治療などによって、免疫機能が低下することが原因と考えられています。
- 帯状疱疹になると、「水ぼうそう」にかかったことのない人にはうつる可能性があります。
帯状疱疹の症状は?
- 皮疹が現れる数日前から、顔、身体、腕、脚などの一部の皮膚が片側だけピリピリ痛い、というのが典型的な症状の始まりです。
- 痛みが出始めてから2~3日後に、痛みが出た部位にほぼ一致して、水っぽく、赤みをおびた皮疹や小さな水疱が現れ、その後、身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状に拡がります。
- 治療が遅れると、水疱が破れ(びらん)、さらに悪化すると潰瘍になります。
- 皮疹は遅かれ早かれかさぶたになり、はがれて治ります。しかし、治療が遅れた方、ご高齢の方、皮疹が広範囲だった方は皮疹が治ったあとも長い間痛みが続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。
帯状疱疹の診断は?
- 経験のある皮膚科医なら、たいてい臨床症状だけで診断できます。
- 初期で水泡が少ししかない場合は、水疱の中身を採取して、検査キットを用いることで簡単に診断できます(5〜10分)。
帯状疱疹の治療
- 抗ウイルス薬の1週間の内服が基本です。発症してからできるだけ早い段階で飲み始める方が、ウイルスの増殖を抑えることができます。
- 痛みが強い場合は、各種鎮痛薬を組み合わせたり、傷ついた末梢神経に効くビタミンV12を処方したりします。
- 全ての水疱がかさぶたになるまでは人にうつす危険があります。特に、水ぼうそうにかかったことがない人との接触には注意が必要です。
帯状疱疹の予防
- 当院では2種類の帯状疱疹ワクチンを接種することができます。いずれも保険診療外の自費診療となります。効果の持続性や価格に差がありますので、ご自身にあったワクチンをお選びください。